太陽光エネルギーは、様々な波長の光となって地球に届きます。その太陽光は、波長により紫外線、可視光線、赤外線の3つの領域に分かれます。その特徴は次のようです。
紫外線:紫外線は殺菌効果や有機物の劣化と分解を主な働きとしているため、有害な波長で物質を劣化させ日焼けなどの原因になります。また塗装面の影響を最も大きくさせる光線です。紫外線は太陽光エネルギーの約3%を占めます。
可視光線:色として認識できる波長領域で、私たちの目に感じる太陽光線で7色の光線はこの領域の光です。太陽光エネルギーの約47%を占めます。
赤外線:最もエネルギーに変わりやすい波長領域です。これは熱線とも呼ばれる目に見えない光線で私たちが熱いと感じる物体から発せられる光線はこの領域です。吸収されたエネルギーは、分子運動を活発にし、熱へと変わります。太陽光エネルギーの約50%を占めます。
可視光線の反射・吸収はその塗料(物質)の色により一義的に定まります。塗料に遮熱機能を付与するには、太陽光エネルギーのうち50%を占める赤外線領域の反射特性をいかに制御するかが課題となります。遮熱塗料(太陽熱高反射率塗料)を採用することにより赤外線領域の反射率を大幅に向上させ、太陽光エネルギーの吸収を抑制することにより優れた遮熱効果を発揮します。
遮熱塗料(太陽熱高反射率塗料)を屋根に塗ることで太陽光に含まれる熱の元となる近紫外線を効果的に反射しますので、建物の屋根、外壁を太陽熱で高温化するのを防ぎ、室内環境の向上、冷房費の節約に役立ちます。
一般的な塗料に比べて真夏部日の屋根の表面温度を約30〜40℃も下げることができます。遮熱塗料(太陽熱高反射率塗料)は遮熱効果で冷房効率は低減でき冷房費の節約につながりますが、断熱材ではないので冬場の室内温度を保温する効果はありません。
日射反射率:日射反射率とは波長300〜2100nmにおける太陽光エネルギーのうち反射される光エネルギーの割合であり、遮熱効果は日射反射率の大きさにより表すことができます。日射反射率は各塗料の分光反射率より求めることができ、一例???悌L?として下図にグレー色(明度7,5)の一般屋根用塗料と遮熱塗料(太陽熱高反射率塗料)の分光反射率スペクトルとその時の日射反射率を示します。
遮熱塗料(太陽熱高反射率塗料)は一般的な塗料と比較して赤外線領域780nm〜2100nmで非常に高い反射率を示します。この反射率の差が赤外線吸収量の差であり、太陽熱エネルギーの吸収量の差になります。
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