建物の塗装は一戸建てもマンションも同様で、サビ、ヒビはがれなどの劣化は10年も経たずに訪れます。その都度、劣化だけに対応して建物を元通りに直せばいいという発想は、建物の価値を少しずつ下げていってしまいます。 住む人たちの世代構成が変化していけば求められる機能も変わっていきます。時代にあった設備が要求されるように、建物の内側(ソフト面)だけでなく、外側(ハード面)を考慮したリフォームが必要です。
日本の住宅は、第二次世界大戦後の住宅不足時代から70年代の高度成長期を経て、バブル時代まで年間150〜160万戸の住宅が新築されてきました。しかし、バブル崩壊後、新築需要は20〜30%低下して新築から中古住宅の長寿命化を図るストックの時代に変化してきました。
日本の住宅寿命は、26年といわれ、アメリカの44年、イギリスの75年に比べて大幅に短いのです。日本の寿命が短命な理由を、自然災害や火災で建物が消失する風土や建物を「仮の宿」と位置づけしていた日本人の意識を求める意見もありますが、本来日本の建物は長寿命でした。かつての日本の家屋の考え方は「3代持つ家」でした。補修や手入れをしながら長い期間暮らしていたのです。
現在、地球温暖化やヒートアイランド対策などの影響で環境に配慮した低炭素な社会を目指す考え方に変わってきて住宅の長寿命化を図るようになってきました。これは地球環境の保護から考えても当然の流れです。
住宅の寿命を60年に延ばそうと考えた場合、住宅を構成する材料が全て60年耐えられるものではなく、定期的なメンテナンスが必要です。特に屋根や外壁は、紫外線や雨風にさらされ、ほこりや排気ガスなどの有害物質、カビや藻などの影響を受け表面が汚れて見た目も悪くなってきます。さらにこれを放置しておくと、クラックや錆びが発生し雨水が入り込み建物の構造にも影響を及ぼし耐久性を低下させる原因になりかねません。
建物の寿命を守り維持するためには、適正な時期に適正なメンテナンスをすることです。塗替えは、屋根や外壁の外装材そのものの性能を維持し新築同様の外観に復元することができるのです。定期的なサイクルで塗替えを行うことで建物の耐久性を延ばして資産価値を高めてくれます。
一戸建、マンションなどは生活の基礎であり大事な資産でもあります。また、工場、倉庫、店舗なども企業イメージに影響しますし、働く環境づくりも大切です。その為には、計画性のあるメンテナンスが必要です。
ですから、早いうちに修繕計画を立てておくことをお勧めします。どんな建物でも、どんな材料を使っても必ず老化していくのです。使った材料によっても異なりますが耐用年数がありますのでそれを始めから予測しておいてリフォーム時などにどれくらい掛かるか計画しておく必要があるでしょう。
1 | 2 | 3 | 4
サイトTOP|お気に入り登録